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オルタナティブにいきたい。

取り留めのないことを取り留めなく書き留めるブログ

チェンジです。気に入りません

伊坂幸太郎『モダンタイムス』上巻、下巻ともに読み終えました。数年前に上巻を読み終えてから下巻を放置していて、そろそろ下巻を読もう、それなら上巻も読み直して思い出そうと思ったので上巻は再読です。でも何だかんだでやっぱり忘れているところもあったので、再読と言えども思い出しながら楽しみました。

記事タイトルは作中に登場する小説、『苺畑さようなら』から拝借。このセリフの全文はストーリーの核にすごく近づいていると思うので、大事なところをそぎ落としています。ギリギリ。めっちゃギリギリ。

 

伊坂幸太郎『モダンタイムス』

 

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

 

  

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

モダンタイムス(下) (講談社文庫)

 

 

雑誌『モーニング』で連載されていたという事もあり、一定の間隔で展開が変わっていくような印象でした。あっちの問題、こっちの問題、そしてまた別の、という感じで少し一貫性に欠けるような感覚。それも下巻に収録されている文庫版あとがきを読んで「あぁ、なるほどな」となりました。伊坂幸太郎がこの作品で掲げたテーマと、連載という形でのストーリー展開がマッチしていたのではないかと思います。

前々回読んだ『陽気なギャング~』では、4人に対して「次はどんな風に問題を解決していくのだろう」と傍観者の立場で期待しながら読めたのに対して、こちらは一緒になって謎を追っていく気分を味わいました。一体どうしてこのようなことが起きるのか、誰を信じて誰を疑えばいいのか、彼が伝えようとしたことは何だったのかなどなど。分けも変わらず巻き込まれる状況に目まぐるしさを読みながら共に体験しているようでした。

ただ、『モダンタイムス』と世界観を共有している作品の『魔王』を読んだ後からすると、その繋がりこそあれどもっと色濃くあって欲しかったな、と少し残念でした。いや、重要な部分でもしっかり関わってはいるんだけれど、匂わすだけ匂わせといた伏線の活用も思ったほどなかったかなぁ…と本編を読み終わったときには思いました。ただ、それも文庫版あとがきに綴られた本作品のテーマを知れば仕方ないことかもしれないです。

そうはいっても、展開が多いので様々な要素で楽しめる作品だったと思います。前回読んだ伊藤計劃の『ハーモニー』がSF的な未来の話に対して、この『モダンタイムス』も近未来の話だったので、その類似点や相違点を見つけてみたりしていました。記事タイトルで使ったセリフ以外にも印象に残るセリフが出てきてるので、日常で使ってみたい。多分使えないだろうけどなっ!