オルタナティブにいきたい。

取り留めのないことを取り留めなく書き留めるブログ

今度はぜったいに見破らせない。

桜庭一樹砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』読み終わりました。記事タイトルは本作の主要人物の1人、海野藻屑のセリフから拝借。

普段外で読むときには必ずブックカバーをかけるんだけど、この本の厚さに合うカバーがなかったので、古本で買った証の値段シールもむき出しにして読んでた。いや、それがダメなわけじゃないけど、何故か読んでる本が何の本なのかをあまり周囲に知られたくないんだよね。ケータイの画面みたいな感じで。でもこの本は綺麗な表紙なのでいっか、って感じで電車の中で読みました。

 

 

※一応ネタバレ注意でオナシャス

 

 

桜庭和樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』 

 

2月下旬頃、久しぶりに古本を漁っていたら、『半分の月がのぼる空』のリメイク版文庫が全4冊それぞれ100円で置いてあった。「これは買わなきゃ!」と飛びついたら、どうやら100円のは3冊買うと200円になるそうで、4冊という事はあと2冊買った方が得なんじゃないかと貧乏性丸出しにして品定めしていたんだけど、これがなかなか決まらない。んじゃあせっかくだから今までと毛並みが違いそうな本を買おうと思い、この本にした。ちなみにもう1冊はレッドデータガールの1巻目。

まぁ今まで通常前後の厚さがある本を読んでたから、ちょっと薄いのを入れて小休止というか、リフレッシュさせるような気持ちと、今このぐらいの本を読んだらどれくらいの時間で読めるのかをちょっと試したいという気持ちがあった。だけど初めてこの作家さんを読んだので、文体に慣れないところもあって思ったほどの速さでは読めなかった気がする。それでもページ数がページ数だから普段よりは短い時間だったけど。

 

ストーリーは2人の女子中学生の話。家庭環境から早く社会に出て”実弾”が欲しいと考えている主人公・山田なぎさのクラスに、有名ミュージシャンの娘で美人だけど言動が異常な海野藻屑が転校してくる。最初は邪険にしていたなぎさだけれど、それでも付きまとう藻屑に次第に心を開いていく。そんな2人の1か月間に起きた出来事が語られている。

200ページにも満たない物語だったけど、なかなか読みごたえがあってしっかり引き込まれた。冒頭でとある事実が綴られるため、それが果たしてどういうことなのか、そこに至るまでどういう経緯があったのかっていうのは常に「知りたい」と思いながら読むことが出来た。それがあるせいか、なぎさが藻屑を理解していく様子や、だんだんと雲行きが怪しくなる展開を楽しめた。

ただ、青春文学と銘打っていることや、主人公たちが中学生であることから、感情移入がしにくかったところも多々あった。言い回しというか砕けた表現で中学生という視点を演出しているなとは思えたけど、文章にして読むと違和感があるな、とか、申し訳ないけど特になぎさの兄には苦手な印象を持ってしまった。

 

でもこれを読もうと思った当初の目的を考えてみれば、ぴったりの小説だったんじゃないかと思う。他の作品で面白そうなものあればまた読んでみたい。